農林畜水産物の産直サービス「産直アウル」(運営:レッドホースコーポレーション株式会社)は、登録生産者を対象に2023年を振り返る今年の漢字をアンケート調査しましたのでその結果を発表します。
生産者が選ぶ今年の漢字TOP3を発表!
産直アウルの登録生産者にアンケート調査を行ったところ52名の生産者からの回答を得ました。その結果、「今年の漢字」として選ばれたのは以下の通りとなりました。
1 位『暑』
2 位『高』
3 位『雨』『苦』『激』(同率3位)
■ 1位は『暑』「例年より暑く、試行錯誤した1年」
最も多い回答は『暑』となりました。例年と比べ気温・水温共に高い状態が続き、多くの生産者から、「作物を育てる難しさを痛感した」「食材の収穫量や収穫時期に影響があった」との声が寄せられました。
産直アウルを通して振り返る『暑』が原因で起こった2023年の出来事
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「ネギ」猛暑による不作で市場価格が上昇した一方、産直アウルの商品単価は平年より約30%安く
今夏の猛暑の影響で価格が高騰した「ネギ」ですが、価格が変化し始めた9月の価格は平年比119%となる(農水省食品価格動向調査による)一方、産直アウルでは9月のネギの出品平均価格は平年比70%でした。また、当社の独自調査では9月のネギ1キロの平均小売価格が987円、産直ECサイト3社の平均出品価格は787円と、200円の差が生じていました。
この背景として、産直ECサイトでは生産者自身が価格を設定できるため、スーパーなどより安い価格に設定しつつ市場などで買い取られる価格より高く販売することが可能であるということが考えられます。産直アウルで生産者からネギを購入したユーザーの中には「量がたくさんでとてもお買い得でした」といった声がありました。
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海水温の異常な上昇でホタテが不漁。出品数が約60%減
暑さの影響を受けた食材の1つとして「ホタテ」があげられます。猛暑による海水温の上昇でホタテの生育不良などが影響し、2023年のホタテの登録商品数(出品数)は昨年と比べ58%減少しました。宮城県の生産者からは「海水温が異常に高くホタテ貝が死んでしまった」といった声や、青森県の生産者からは「ベテラン漁師も経験した事のない状況だった」との声もあり、過去に例をみない1年だったことが分かります。
■ 2位には『高』がランクイン。「気温や資材、さまざまなものが高くなった1年」
続いて多くの回答が集まった漢字は『高』でした。生産者にとって気温の「高さ」だけでなく燃料費・人件費をはじめとしたコストの「高さ」 に悩まされる年となったようです。
産直アウルを通して振り返る『高』が原因で起こった2023年の出来事
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卵の価格高騰を背景に産地直送のこだわりが求められる傾向に。注文件数、昨年比約40%増
価格高騰が大きな話題となり購入がためらわれる傾向にあった卵ですが、産直アウルでは、生産者が出品価格を決められることが契機となり販売価格の大幅な値上がりは起こらず、注文件数が昨年より39.6%増加しました。この注文件数拡大の背景には、手頃に手に入れることのできた卵がすぐに手に入る食材ではなくなったことで、卵そのものへの価値が見直され「少し金額は上がるけどこだわって作られた卵、新鮮で美味しい卵を手に入れたい」という消費者行動があるものと考えます。実際に購入者からは「卵が高騰しているので体にいいものを探して出会いました」といった声が聞かれました。
■ 同率で『雨』『苦』『激』が3位に。「丸1年天候にやられました」
2位に続いて3位には『雨』『苦』『激』が同率となりました。1月の大寒波や、線状降水帯による豪雨、長期間続いた猛暑など、天候に左右されたとの理由が印象的でした。
総括
アンケート調査の結果、2023年は生産者にとって天候やコスト上昇に左右された厳しい一年となりました。しかし、産直ECサイトを活用する生産者はこだわりや努力はもちろん、コストの上昇や天候の影響などを反映した販売ができることで、次のような実例も生まれました。
「原材料の高騰により、ある程度は販売価格が上がった。それでも卸売市場では売上減のこともあり、卸売市場で単価が低い場合は産直ECを利用している。産直ECは生産者が適正な値段を付けやすいので、販売価格をコントロールしやすかった。その影響もありECは若干売上増だった。」
また、今後の目標として今年の異常気象やコスト上昇を踏まえ「温暖化でも栽培を改善できるような取り組みを予定しています。」といった声や「肥料が高騰しているため昔ながらの土づくりの方法を取り入れ、経費削減と同時に付加価値も高めていきたいです。」といった声がみられました。
さらに消費者の間では、前述の卵の実例からわかるように品薄や物価高に苦しむ反面「同じく高い値段なのであればこだわりや安全性を求める」といった傾向がありました。
産直ECサイトは、生産者が適切な価格を設定して販売できる場であると共に、消費者はこだわって作られた食材が選べる場です。産直アウルは生産者と消費者の両者がwin-winな関係を構築できる場となることを目指します。
■ 調査概要
調査機関:自社調査
調査対象:産直アウル登録生産者
調査期間:2023年11月27~12月4日
回答者数:52人
調査方法:インターネット調査
■ 産直アウル:サービス概要
産直アウルは、市場を通さず生産者と購入者をダイレクトでつなぐことで日本各地の食材を売買することができる産地直送のWebマーケットです。
野菜や果物、肉、魚介類、米などの食材をはじめ花・植物、ペットフードに至るまで17の豊富なカテゴリを取り揃えています。品種での検索機能により、食材ごとの好みの品種やまだ知らない新しい食材に出会うこともできます。
トップページ:https://owl-food.com/
■ 産直アウル:ストーリー紹介
産直アウルを運営するレッドホースコーポレーション株式会社は、2014年より自治体のふるさと納税事業を支援しており、同事業を通じて第一次産業の課題を目の当たりにしました。
「良いものを正当な価格で消費者に届ける仕組みをつくることで生産者・地域産業者自らが未来を切り拓けるようになってほしい」との思いから、市場を通さずに食材の売買ができ、従来の販売ルートよりも生産者のもとに利益が残りやすい産直ECサイトという形で産直アウルのサービスを開始しました。産直アウルは「サービスの主体は生産者である」という考えの元、「自立自走可能な地域創生」をミッションとして生産者のこだわりや努力が見える社会を目指しています。
・サービス提供開始日:2019年 12月 23日
・利用生産者数: 約4,000 軒
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