“競争”から“共創”へ。ふるさと納税の自治体間連携が深まる。
ふるさと納税サポート業務を始めとする地域創生事業に取り組むレッドホースコーポレーション株式会社(本社:東京都墨田区、社長執行役員:山田健介、以下 当社)は、当社が契約する全国の自治体のふるさと納税担当者を対象に「2023年度のふるさと納税に関するアンケート調査」を実施しました。その回答から、自治体のふるさと納税担当者がふるさと納税を通じて「自治体間連携を強化」していく意向が高まっていることがわかりました。
調査結果サマリー
◆今後、強化していく取り組みとして“自治体間連携”を挙げた自治体が2022年度の回答に対し約350%で、回答全体の40%を超える
◆令和6年度能登半島地震で「代理寄附」の連携広がる
ふるさと納税でも広がる自治体間連携。40%以上の自治体が、今後、他自治体との連携を強化。
地方自治体のふるさと納税担当者に今後、強化していくふるさと納税の取り組みについて聞いたところ、40%を超える回答数で「自治体間の連携強化」が挙げられました。2022年度の回答に比べると回答数が約350%となっており、特に昨年度の回答には見られなかった「自治体間の共通返礼品の開発」(*1)を掲げた自治体が29ありました。
具体的な連携先としては、「関連性の高い自治体」という声が多く聞かれました。単に連携するだけではなく、お互いの良さを活かせる自治体と関係性を作っていきたいと考えていることがわかります。このような取り組みが広がる中、当社の契約自治体でも2023年度に様々な「自治体間の共通返礼品」が開発されましたので、その一例を紹介します。
*1:共通返礼品とは、複数の自治体が協力し、それぞれの特産品を組み合わせた返礼品を作り、寄附者に届ける仕組みのこと。
■自治体間の共通返礼品事例
◆兵庫県加西市×姫路市
兵庫県播磨地域に位置する加西市と姫路市は2023年12月に、両市の PR の場を広げながら、地域産品の PR や観光・地場産業の振興への期待を込めて、共通返礼品を開発しました。両市の共通返礼品は、純米酒(加西市)×かまぼこ(姫路市)やアラジングラファイトトースター(加西市) × ムッシュ自家製アーモンドバター(姫路市)などそれぞれの市の特産品の良さを生かし、互いを高め合うコラボ返礼品としてラインナップしています。今後も旬の食材を含め、拡大していく予定です。
https://item.rakuten.co.jp/f282201-kasai/56981424/
◆北海道赤平市×芦別市
北海道中央部で隣接する赤平市と芦別市は共に、古くから「ものづくりのまち」として栄え、1989年の日本遺産に認定された「炭鉄港」の構成市町村です。その共通点を生かした共通返礼品を開発し2023年8月より寄附受付を開始しました。隣接する自治体同士で地域を盛り上げることができればとの想いから始まった本取り組みによって「返礼品の連携を通じて、全国の皆様に赤平市と芦別市の名前を知ってもらい、地域経済が好循環していければ」と期待しています。すでに第2弾も公開され、今後も継続していく予定です。
https://item.rakuten.co.jp/f012181-akabira/56651361/
◆北海道厚岸町×標茶町
厚岸町と標茶町は共に北海道の東南部に位置し、厚岸町の北部と標茶町の南部が隣接しています。厚岸町は「漁業のまち」、標茶町は「酪農のまち」としてお互い一次産業を主とし、それぞれの恵まれた環境を活かした様々な特産品を生産しています。その両町の「海の恵み」と「山の恵み」を存分に詰め込んだコラボお節を開発し、2022年に寄附受付を開始しました。その後、2023年にも第2弾を開発しました。両町の特徴を生かし、互いを補うことによって実現した共通返礼品です。
(現在、寄附は受け付けておりません)
震災後に生まれた「代理寄附」で自治体間連携がさらに深まる。
2023年度のふるさと納税に影響を与えたものについて質問したところ、9割以上の担当者が「10月からの総務省による地場産品や経費等の基準改定」と回答しました。また、もう1点注目するキーワードとして、「自然災害」が影響を与えたという回答が2022年度の約2倍ありました。集中豪雨や台風、また、年初の地震などが印象強く、影響を与えたことがわかります。
令和6年能登半島地震では、これまでには見られなかった「代理寄附」(被災された自治体に代わり、他の自治体が代理で寄附を受け付け、寄附者対応までの一連作業をトータルで代行)の動きが広がり、自治体間の新しい連携が生まれています。
まとめ:ふるさと納税は「競争」から「共創」へ。
ふるさと納税は2008年の制度開始以降、何度か転機を迎えてきました。管轄官庁である総務省も様々な制度改革を行い、また、東日本大震災や今年年初の能登半島地震など大きな自然災害を経験する中で自治体の取り組み方も変化してきています。
制度開始の7年後、2015年度には控除額が2倍に、また、ふるさと納税ワンストップ特例制度が設置されるという制度改革により、自治体に寄せられる寄附が大きく増えました。それに伴い、ポータルサイトも大幅に増加し、返礼品競争の様相を呈するようになりました。これ以降、自治体間での寄附“競争”が見られるようになりました。
このような動きが近年少しずつ変化を見せています。特にここ1~2年で広がった自治体間の共通返礼品開発の動きは、自治体同士が“共創”する取り組みであり、ふるさと納税を通じて、共に高め合い、補い合うように協力体制が築かれてきています。年初の震災は、さらにその取り組みを加速させました。このような動きが今後もさらに広がっていくことは、今回の回答からも充分に予想できます。
当社としても、今後も自治体に寄り添い、自治体間連携をサポートしながら、当社自身も自治体と共創し、様々な活動を通じてよりよい「まちづくり」に取り組み、『自立自走可能な地域創生の実現』に取り組んでまいります。
【地方自治体ふるさと納税担当者アンケート 調査概要】
調査実施期間:2024年3月1日~3月15日
調査対象:当社がふるさと納税サポート業務を契約する自治体のふるさと納税担当者
サンプル数:114件
調査方法:インターネットアンケート調査
※参考調査 2022年度のふるさと納税の傾向
調査実施期間:2023年2月1日~2月15日
調査対象・調査方法:2023年度同様
サンプル数:113件
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