レッドホースコーポレーション ふるさと納税 首長インタビュー 北海道赤平市畠山 渉市長2022年9月1日

市の職員や事業者、顔の見えるPR活動を通じて、赤平市のファンを増やし、絆を深める。
ふるさと納税を活用し、将来に引き継げるまちづくりを。

レッドホースコーポレーション ふるさと納税首長インタビュー 北海道赤平市 畠山 渉市長

北海道赤平市 畠山 渉市長

プロフィール

生年月日:1968年3月30日
出身地:北海道赤平市
旧北海道赤平西高等学校卒業。
1986年に赤平市職員となる。市役所では商工労政係長や市職員労働組合執行委員長を経て、2017年4月に企画課長に就任。市民有志の要請を受けて立候補。2019年5月1日より現職。

「炭鉱のまち」から「ものづくりのまち」へ

赤平市は北海道のほぼ真ん中に位置し、まちの北側には緑豊かなイルムケップ山、まちの中央を一級河川の空知川が流れ、南北を山に囲まれた自然あふれるまちです。昭和30年代には炭鉱で栄え、最盛期の昭和35年には人口が約6万人いましたが、国のエネルギー政策の転換により炭鉱閉山が相次ぎ、現在(令和4年7月末日)は9,161人となっています。
炭鉱閉山後は地域経済の立て直しに取り組み、ズリ山や立坑などの炭鉱遺産を活かした観光に力を入れ、令和元年5月に『本邦国策を北海道に観よ!~北の産業革命「炭・鉄・港」』が日本遺産に認定されました。

北海道赤平市 日本遺産:旧住友赤平炭鉱立坑櫓日本遺産:旧住友赤平炭鉱立坑櫓

また、政府のエネルギー政策の転換による炭鉱の縮小が顕在化してきた昭和40年代後半より、新しい地域産業を生み出すため、積極的に製造業の誘致を行いました。その結果、多くの製造業が赤平市に工場を構えていただきました。日本製スーツケース「プロテカ」を製造するエースラゲージやエリエール製品の赤平製紙、革製品の鞄いたがき、木工業の空知単板工業、武藤工業などが進出いただいたことで「炭鉱のまち」から「ものづくりのまち」へと変化いたしました。これら新しく生み出された地域産業は、現在では、地域経済の中心となっており、周辺自治体からも赤平市に通勤いただくなど、市内の雇用だけでなく、周辺地域の雇用も生み出しています。そのため、昼間人口が多いまちになっています。

北海道赤平市 エースラゲージ株式会社(北海道赤平工場)エースラゲージ株式会社(北海道赤平工場)

『ひと・自然・産業が輝く、協働と共創のまち赤平』
ふるさと納税制度によって集まった貴重な財源で「子どもたちへの投資」を。

赤平は私の出身地であり、人生の大半を過ごしている愛着のあるまちです。私は高校を卒業後、赤平市の職員となり、役場職員という立場から赤平市に少しでも貢献できればと努めてきました。企画課長であった2018年、市民有志の強い出馬要請を受けて市長となりました。昔と立場は変われど生まれ育ったまちに対する思いは変わりません。

しかしながら、全国的な人口減少は当市も例外ではなく、特に中心産業である製造業には深刻な影響を与えており、労働力の確保が重要な課題となっています。首都圏で開催する移住フェア等に出展したりして、まちの魅力をPRしてはおりますが、なかなかうまくマッチングできない状態です。そんな中、この「ふるさと納税」の制度は赤平市にとって大変貴重な財源であり、かつ有効なプロモ―ション手段となっております。

私の思いとしては、当市が掲げる「ひと・自然・産業が輝く協働と共創のまち赤平」というキャッチフレーズ同様に、今ある市内企業や市民の皆様と一緒に将来のまちづくりに取り組み、いいところを次代に引き継いでいきたい、そのためにふるさと納税の制度を有効に生かしていきたいと思っています。

赤平市は平成20年からあかびらガンバレ応援基金として、年間平均で約2,000万円ほどの寄附をいただいておりました。そんな中、平成27年6月から返礼品を活用したふるさと納税をはじめました。返礼品を開始した初年度から1億6千万円の寄附をいただき、さらに特産品を広くPRできるチャンスととらえ本格的に取り組むとことにしました。その後も順調に推移しています。

ふるさと納税により集まった貴重な財源は主に未来の人づくり=子どもたちへの投資に使っていければと考えています。

9月より新米の寄附申込開始。
自慢の工業製品に加え、特別栽培米「ゆめぴりか」が人気の返礼品。

北海道赤平市 赤平市の返礼品赤平市の返礼品

赤平市の特産品としては、地域産業で生産されるエリエール製品、スーツケース「プロテカ」、鞄いたがきの革製品、空知単板工業、武藤工業の木工製品などがあります。エリエール製品には北海道限定品もあり、あまり知られていませんが北海道内のエリエール製品はすべて赤平市内の工場で生産されています。それ以外にも北海道銘菓「塊炭飴」のほか、焼肉のたきもと、高橋精肉店など地元に愛され続ける飲食店もあり、中でも炭鉱時代に親しまれた家庭の味「がんがん鍋」はがんがん鍋協議会が設立され市内の飲食店でも食べることができ、使用しているホルモンは返礼品としても提供いただいています。今後は市内でも人気の野菜を作っている農家さんに対し、新規で返礼品の提供をいただけるように働きかけ、さらに魅力的な返礼品を開発していきたいと思っています。

また、赤平市では北海道米「ゆめぴりか」、「きたくりん」、「ななつぼし」の3品種を返礼品として提供しています。「ゆめぴりか」と「きたくりん」は“特別栽培米”として、希少価値を高めた商品となっています。申込数では、ダントツで「ゆめぴりか」が人気です。特別栽培米は市として推奨しているわけではなく、事業者の農家さんがこだわって作っていることが理由です。美味しくて安全な北海道の最高級米を、全国の方に味わってほしいという願いが込められています。北海道米は長年にわたる品種改良を重ね、現在では人気の返礼品となっています。もちもちとした食感で低たんぱくなのが人気の理由ですが、個人的にはお米の違いは冷めてからわかると考えており、おにぎりやお弁当にするとその良さがよくわかります。冷めてももちもちしていていつまでも美味しく食べることができます。

返礼品としては単品での提供はもちろんですが、3カ月、6カ月、12カ月といった定期便もご用意しており、ご希望に合わせてお申込みいただくことができ、また9月のお申込みからは新米に切り替わります。この機会に近年注目されている北海道米の「特別栽培米」ゆめぴりかをぜひ一度食べてみてください。

北海道赤平市 北海道米の「特別栽培米」ゆめぴりか

レッドホースとの取り組みは平成27年度から。寄附額は右肩上がり。

レッドホースさんには、ふるさと納税に本格的に取り組んだ平成27年度からご協力いただいています。返礼品受付、寄附者問合せ、入金管理、返礼品配送管理、お礼状発送、事業者対応、返礼品開発などトータルでパートナーとして取り組んでいただいております。結果も出ており、平成26年度以前は毎年1千万円前後でしたが、平成27年度以降は右肩上がりで寄附額が増えています。

貴社との取組により、複数のサイト(現在10サイト)を包括的に運用できることから、当初1サイトだけだった窓口を毎年広げられています。窓口の拡大は寄附額の拡大に大きな影響を与えていると感じています。当市の返礼品は一度使っていただく、食べていただくと長く使いたいと思っていただけるものであると自負しています。ただ、そのためにはまずトライアルしていただく必要があり、その接点を拡大していく、目に留まる工夫をし続けることが重要です。そういった意味においても御社との関係は非常に重要だと考えています。今後のいい関係性を深めながら、一緒に取り組んでいただきたいと考えています。

北海道赤平市 赤平市のふるさと納税寄附額の推移(総務省発表資料よりRHC作成)赤平市のふるさと納税寄附額の推移(総務省発表資料よりRHC作成)

今年こそ10億円に。
そのためには市と事業者、市民、そして、レッドホースが一体となって、赤平市のファンをもっともっと増やしていきたい。

レッドホースコーポレーション ふるさと納税首長インタビュー 赤平市 畠山 渉市長

昨年度は9億9百万円でしたので、あと1歩のところで10億円に達しませんでした。今年こそは目標額10億円を目指していきたいと考えています。そのためには、市の職員はもちろんですが、事業者や市民、そしてレッドホースさんとも一体となって取り組んでいく必要があると感じています。

市としては、寄附者に様々な情報を提供し、寄附者の声をできるだけたくさん拾って事業者に提供しつつ、また、市民に対して、ふるさと納税がわがまちのPRと財源確保に重要だと思っていただけるよう、この寄附が市民生活に還元されていることをさらに周知していく必要があると考えています。事業者については、ふるさと納税を通して認知度が一気に上がり全国へ商品を発送できるようになりました。中には独自でECサイトを立ち上げ、新しい販路を作って直接寄附者との繋がりができた事業者もあります。これらをベースに新たな返礼品の開発に取り組んでいただければと考えています。また、レッドホースさんには貴社の培われたノウハウを生かし、さらに様々な角度からアドバイスをいただきながら協力して返礼品の開発やサイトの拡大等を進めていければと考えます。

そして、赤平市のことをさらに多くの人に知ってもらい、また、深くかかわっていただくことによってファンをもっともっと増やし、まずは当面の目標である寄附額10億円を達成したいと思います。

リピーターは20%程度。顔の見える情報発信でさらにその数を拡大。

赤平市へご寄附いただく方の傾向としてリピーターが多いと感じています。リピート率としては20%前後です。毎日使うトイレットペーパーやボックスティッシュなどの日用品を中心に人気があります。必ず使うもの、使ってみるとファンになるエリエール製品を中心に提供しており、これらを通じて赤平市に親しんでいただければと考えています。今後も提供している返礼品の頒布会や定期便を充実させていきたいと考えています。

また、当市は特にリピーター確保に力を入れています。ふるさと便りやメールマガジン、毎年制作している返礼品冊子の送付などを通して、情報発信に取り組み赤平市の魅力を発信してます。
ふるさと便りは毎月手書きで作成し、また、返礼品冊子には担当職員や事業者が登場し、顔の見える情報発信に努めています。返礼品冊子は今年も32,000件に対し、部署を超えて職員全員で手分けしながら封入し発送しました。また、手書きには私自身も市の職員もとてもこだわりがあります。私の名刺も手書きの文字を使っているのですが、手書きには書く人の顔や思いが現れると思っています。今後もこういった顔がみえ、赤平市を身近に感じていただける情報発信を続け、赤平ファンになってくれる人を増やしていきたいと考えています。

北海道赤平市 ふるさと便りやメールマガジン、毎年制作している返礼品冊子

全国の方に赤平市の「ものづくり」に対する意気込みを知ってもらいたい。

「特別栽培米」のゆめぴりかを一度食べてみていただきたいと思います。他にも赤平市の返礼品はエリエールや革製品、スーツケース、積み木など日頃よく使う日用品が多いので、全国の方に赤平市の「ものづくり」に対する意気込みを知ってもらい、赤平を身近に感じてもらえればうれしいです。

また、返礼品の冊子でも紹介していますが、アカデミー賞の国際映画賞を受賞した「ドライブ・マイ・カー」や人気番組「水曜どうでしょう」のロケ地になるなど魅力あるまちである赤平の情報を発信し、全国的に赤平の知名度を上げていきたいと考えています。そして、それに関わる返礼品の開発もしていければいいですね。

将来的には子どもたちにプログラミングを教えられれば…
自分の経験や知識を次代につないでいきたい。

現在、小中高に対してプログラミング教育が必修化されています。私自身は高校時代にプログラミングを勉強しておりVisual BasicやExcel VBAでのプログラムを組むことができます。実際、私が市の職員になってから作ったプログラムは市役所の中で現在も広く利用されており、文書管理システム等は役所全体で使ってもらっています。市長になってからはさすがに少なくなりましたが、アップデートや保守の相談を受けたりすることは今もたまにあります(笑)。

プログラミング教育の狙いは、ただプログラミングの技術を覚えるということだけではなく、その根底にあるプログラミング的思考=論理的思考を育てていくということであり、子どもたちの将来のために非常に重要であると感じています。ただ、地元にはIT企業がなく、サードパーティーとしての支援が難しい状況であるのも事実です。

私自身も子どもたちに自分の知識や経験、技術を教え、次代を担う子どもたちの将来につなげていければと思っていますが、まずは今の立場でやらなければいけないこと、やれることに全力を尽くしていきたいと思います。

レッドホースコーポレーション ふるさと納税首長インタビュー 北海道赤平市 畠山 渉市長

雲雲

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